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カメラブ株式会社代表取締役 高坂 勲 様
2019年に流行語大賞にもノミネートされた「サブスク」。音楽や食べ物、着るもののサブスクサービスを利用されている人も多いのではないでしょうか。そんな新しい文化、サブスクはメインストリームのサービスや商品だけではなく、ニッチな業界にも広まっています。
趣味性の高いカメラのサブスクも新しいサブスクサービスの一つ。「好きに夢中になれる機会を支え、誰かの喜びと生きがいをつくる」をミッションに掲げるカメラブ株式会社の高坂 勲代表取締役にお話をお伺いしました。
どんな事業をしていますか?
カメラのサブスクリプションサービスを展開しています。月額5,800円から79,800円まで9つのプランがあります。お店で売ってるものだと160万円くらいのレンズもラインナップにあります。それぞれのプランに応じてカメラやレンズなど1,000種類が入れ替え放題です。
商品管理に関しては、ヤマト運輸さんと連携し個品ごとにID管理していて全てトレースできるようになっています。自社倉庫もありますが、同じIDで何がどこにあるかがわかります。
コロナの影響はありましたか?
コロナの影響で言いますと、移動の制限が入るかどうかが影響が大きかったですね。GoToキャンペーンが始まってからは稼働は劇的に伸びました。アウトドア需要が高まりましたし。
初期の投資家へのアピールは苦労されましたか?
カメラは二次流通市場が強い商品です。日本メーカーが強いというのもありますし、日本の中古品は雑な扱われ方をされていないので海外での評価も高いです。ですので、カメラという物を保有することについてはリスクはないのですが、それならエクイティーよりもデットでいいよねってなりますね。そのため、初期はVCに入っていただかず、ある程度事業が回り出したあと、成長資金を入れてもらうためにVCに入ってもらいました。
VC資金も人員や広告費などの成長資金には充てることはできるのですが、カメラなどの機材購入には使ってはいけないので、リース会社と事業提携しまして、カメラブはあくまでカメラサブスクプラットフォーマーとしての役割に徹することにしました。
カメラにハマった理由は?
デジカメのPDCAが速く回せる点にハマりました。その場で撮って確認できる。最初はバスケの試合を撮影したいと思ったんです。ルアーフィッシングも趣味で、そういう動きのあるシーンが撮りたいと。
それと、カメラってコツを人に伝えると再現性が高いんです。少し教えてあげると、みんなハマってくれて、カメラ仲間が増えて、作品を作り出すんですね。コミュニティーを作りやすいガジェットなのも魅力ですね。
今後の事業展開・成長戦略
PPBさんに調べていただいた事例で、アメリカのCtoCビジネス(個人のカメラを個人に貸し出す)がありましたね。私も国内でのCtoCを考えていたのですが、過去に似たようなサービスを展開していた国内の会社さんが2社ほどあったのですがうまくいっていなかったんです。アメリカとの文化の違いか、もしくは供給側がうまくいかない可能性があるのかもと考えました。
そこで、会社としてはまずはBtoCでカメラのサブスクを行って、次に展開するとしてもCtoBtoC、ユーザーからカメラをお借りしてそれを別のユーザーに貸し出すプラットフォーム事業になるかと思います。日本にもたくさんのいいカメラを保有しているご年配のコレクターの方も多く、使う人がいれば使ってほしいという方もいるのですが、実際に貸し借りするとなると運営がめんどくさいので、まとめてやってよ、となりますね。
PPBとの出会いは?
代表のデービットからFacebookでメッセージをもらいました。飛び込み営業ですね。
Facebookでの共通の知り合いもいたのですがあまり会ったことない人も多くて。
どんな人かなと思って興味本位でお会いしてみたのですがよいご縁でした。
どんな仕事をお願いしましたか?
海外のサブスク市場の調査です。ビジネスモデル、資金調達状況の調査を依頼しました。
PPBに発注してよかったことは?
もともとサブスクサービスに関してはアメリカが進んでいるなと思っていましたが、全体として見たときに、どの領域が伸びているかという全体像を掴むことができました。全体的なトレンドが衣食住の領域から始まり、そこが飽和したあとは趣味領域にシフトしてきているといったような流れが見えました。
もちろん自分でも調べることはできますが、アメリカをはじめとした世界の情報を調べに行くというのは労力も時間もかかりますし、ノウハウもいるのでご依頼してよかったです。海外にこういった事例がありますよ、というのは今後VCに会社の価値や未来を説明するときにとても有意義な情報です。
熱狂的なファンも多く奥の深いカメラの世界とネットワークを駆使したサブスクリプション事業はとても相性がよく未来への可能性が広がる事業ですね。
高坂社長、お話ありがとうございました。